御諸山(みもろやま)とは奈良県にあつ三輪山のことで、三輪山には大神(おおみわ)神社がある。大神神社では大物主神(オオモノヌシ)を祀っているため、オオクニヌシの国作りに協力する御諸山にいる神とはオオモノヌシということになる。オオモノヌシにはいくつかの伝統が残っている。 古事記の崇神天皇の記事の名には、「三輪」という地名の由来を語る話がある。 活玉依毘売(イクタマヨリビメ)という大変美しい女のもとに、夜中、とても立派な男が訪れるようになった。互いに好きになって結婚をすると、まもなくイクタマヨリビメは、妊娠をした。 両親が相手の男のことを聞くと「名前も知らない立派な男性が夜訪れたのです」と答えるので、その両親は娘に「赤土を床の前に散らし、麻の糸を針に通して、男の着物の裾に刺しなさい」と教えた。 夜になって男が訪れたとき、娘はその通りにした。朝になって麻の糸をたどってみると、その糸は、戸の鍵穴から外に出て、山の社で途切れていた。そこで立派な男は神であるとわかった。糸巻きには、麻糸が三輪残っていたので、その山を三輪山と呼ぶことになった。 この話のように正体不明の男が女性のもとに通い、その正体を知ろうとして着物などに針を通しておくという筋は、昔話にも多くみられる。昔話では、その正体はほとんどが蛇であるとされており、「蛇婿入り」の話として知られる。 ほかにも三輪山の神が蛇と関係する伝説が伝わっており、三輪山の神は蛇であると言われている。 <引用文献> 神社と神々 知れば知るほど 実業之日本社 1999年5月発行
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