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★2007薪窯焼成イベントの様子はこちら |
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「土は焼くと固まる・とける」という事を、人類は焚火の最中に発見しました。
そこで、より効率よく高温を得るために火床に覆いをかぶせたのが、窯の始まりです。
より長持ちするやきもの、より美しいやきものを求めて焼成技術は少しずつ向上していきます。
窯の形は少しずつ長くなり、傾斜がつき、煙突がついて…平安時代までにその形はある程度定まりました。
そしてこの薪窯は、ほんの少し昔、木材以外の燃料が現れるまで…ずっと使われていたのでした。
今では電気・ガス・灯油窯がありますので、
沢山の木材・人手・日数を要する薪窯は効率悪いとも、言えます。
けれど、薪の天然灰をかぶり、人手で操った本物の炎で長時間しっかりと焼かれたやきものには、
自然だけがもつゆらぎの味わいがあり…。
現代においても薪窯は、単に昔ながらというだけでなく、とても捨てがだい良さのある窯です。
※ちなみに、マキを焚く窯はみんな薪窯。そしてまたの名を、穴窯。部屋がいくつも連なっているのは登り窯。
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窯が大きいのでゆっくりと温度をあげながら、じっくりと焼成します。約4〜5日焚きつづけて、使う木材は2tトラック約1台分(約30万円)です。 |
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近年よく使われる電気窯・灯油窯・ガス窯は『熱で釉をとかし、土を焼きしめる』もの。
薪窯では釉薬をかけなくても『熱と灰で土の表面をとかす』ことができます。
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木材から出る灰が炎の流れにのって作品にふりかかり、
その灰と土が高熱の中で作用してガラス化する。 |
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ゆっくりと焼かれると、土の表面はとけてきて炎や灰とさまざまに反応し、ビードロや緋色が現われます。
どんな表情に焼かれるか…それは誰もが気になるところ。
土肌に留められるのは、長時間高温にされされたその記憶。土と炎と人の、いわば共同作業です。
見どころの1つとなる灰の表情は、<窯の中で作品が置かれた場所>や<焼成の仕方>などによってつくられます。
条件がさまざまなので、1つ1つの作品の表情がちがいます。
そして最終的には炎次第でもあり、人の思惑をこえたところに結果がゆだねられているのが薪窯の面白さでもあります。
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灰のかかり方は、炎のあたり方や周囲の作品との位置関係によります。景色から炎の流れを読みとれれば、作品が体験した『焼成』を少し身近に感じられるのではないでしょうか。
例を参考にして、自分の作品で灰が一番よくみえる位置を探してみましょう。その時自分のいる側から炎があたった、ということになります。 |
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物に光をあてると陰影がはっきりとでます。
炎の流れは火床→煙道とほぼ一直線なので、炎や灰は物に光をあてたときのように作品にあたり、表情をつくります。 |
灰のとけ方は、それに対する灰の量と熱量の関係です。
かかった灰の量が<多い/少ない>か、そして熱量が<多い/少ない>か、
ということが様々なとけ方を生みだします。
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★景色から<場所>を想像してみよう!
必ずとはいえませんが、灰の量やとけ方は<窯の中で置かれていた場所>に多少左右されます。
自分の作品がどんな環境で焼かれたかを想像する、のも鑑賞の楽しみです。
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粘土がちがえば全体の表情も変わります。これは長時間の焼成によって粘土に含まれる鉄分や石はぜが表面に出てくるためです。
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上の例は、あくまで傾向です。また、写真ですので実際と多少の差があります。
作品録の写真や実際の作品などとあわせて参考にしてください。
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あしたか芸術村での焼成は古信楽土(白)に焦点をあてているので、
備前土、赤土などは本来のイメージよりも光沢がでます。 |
<灰のかかり方>だけでなく作品の底面や内側からも炎の流れを感じることができます。
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薪窯で焼く作品をつくる時、少しいつもとは違う配慮がいります。
自分で釉薬をかけるのではないから、表情のつきやすい形にしておくこと。
それから、焼いている最中に、割れたりゆがんだりしにくい形にしておくこと。
薪窯は、炎でしかも長時間焼くので作品が変形しやすいのです。
割れ防止に関しては、特に作品が大きければ大きいほど、よく注意してください。
表情をつきやすくする
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動きに富んだ形状にする
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口元・高台周辺等に特徴をつける
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面は平らに作りすぎず、多少の凹凸を生かす
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線描したり、粘土で文様をつけたりして装飾を加える |
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割れやゆがみを防ぐ
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全体的にやや厚めにつくる
(7〜10mm厚くらいが基本。かなり大きいものであれば、下部を15〜20mm厚くらいで作る)
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高さ50cm以上の作品の底は、よく叩きしめた上で15mm位の厚さにする
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口縁は特に、必ず厚めにする
(使用時の割れ防止にも、なる)
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板皿の口縁をよく締めておく
また、反りは戻りやすいのでただ曲げるだけでなく、形をよく覚えこませるようにする |
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窯は、少々傾斜をつけて作られています。上へ昇りたがる炎の性質を利用するためで、
傾斜と煙突の引きが、炎の大きな流れをつくります。
複数の室(むろ)が連なっていても、室の間の壁に風穴があり、前で薪を燃やしても熱や煙はちゃんと後ろの室にまで届き、
更にその後ろの煙道・煙突へ抜けるようになっています。
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薪窯では炎は焚き口(@)から煙突(A)まで一直線にぬける。
そのとおり道に作品をおいて炎があたるようにする。
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※ |
灰の量はできるだけ多く、そして奥まで飛ぶように努める。
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還元雰囲気、温度の上昇スペースは狙いによってちがってくる。 |
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室(むろ)の中に作品を詰める事で炎のまっすぐな流れは邪魔され、
窯の中でいくつにも分かれます。
そして炎はスキマ(空気)を探しながら、やはり大きな流れに沿って
煙突まで抜けていきます。
炎が窯の中をできるだけムラなくかけ巡ってくれた方がいいので、
作品を詰める時は炎の流れをうまく邪魔するようにと考えながら詰めていきます。
あまりスキマが空きすぎると炎がかえっていかないので、程よいスキマをつくりながら、
詰めていきます。 |
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(ビルの狭間で風が勢いよく通るのとちょうど同じように、炎も狭いところを勢いよく走ります) |
窯が大きいので、窯内部には温度差が生じます。
温度の高くなるところには、白土系の作品を、
温度の低いところには赤土系の作品を入れて、その温度差をうまく利用します。
(白土系は赤土系よりも高温で焼き上がるので)
作品を棚板にのせる時は、粘土玉3つか5つで足をつけて置きます。
じかに置いてしまうと灰がよく流れた場合に作品がとれないからです。
この粘土玉は、あとで簡単に取れます。 |
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薪窯での焼成は、電気窯などと比べるとかなりの長時間になります。
まず窯が大きいのと、熱源が焚き火なのとで温度を早いペースで上げていくことができないのです。
けれどそうしてゆっくり焚くからこそ、作品にかかった灰が粘土とじっくり反応してガラス化し、薪窯独自の力強い景色が得られます。
焼成工程は、3つにわけられます。
気温
900℃ |
『あぶり』…とにかくゆっくりと温度をあげていく段階。
・窯と作品の両方を900℃まで温める
・熱の流れを窯の中に作っておく(できるだけ片寄らないように)
※粘土・灰が本格的に熱反応し始める900℃の前に、上記2つを確実に行なっておく |
約1日 |
900℃
1250℃ |
『攻め』…還元炎でじっくり焚く段階。
・900℃〜1150℃間に還元(RF)をしっかりかける
・粘土・灰の化学反応をゆっくりと促していく
※煙道に少しスキマをつくるか、常に薪を沢山入れてRFをかける |
約1日 |
1250℃
を
維
持 |
『ねらし』…作品に灰を付着させ、それをとかす段階。
・灰を炎の流れにのせてどんどん飛ばす
・窯の一番奥の作品の灰がしっかりとけるまで焚く |
約1日 |
1つの室(むろ)を焚くのに、通常3日位かかりmす。
室(むろ)が連なっている場合、前の窯の余熱で後ろの室が温まるので、後ろの室は1日〜1日半位で済みます。
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やっぱり一番の楽しみは…窯出し作業!
焼成する前に封印した窯出入り口のれんがを崩して、中に入ります。
まだ少しあったかい、窯の中…
炎の洗礼をうけた作品が、ところどころ灰をかぶってぎっしりと詰まっています。
そして、窯出し作業で大事なのが後片付けです。
いい焼成ができるかは、まず窯のメンテナンスにかかっています。
棚板の上に付着した灰(ガラス)をしっかり削って新たに塗料をぬり、窯の中の灰もしっかり掃き出します。
次回すぐに気持ちよく使える状態にして、そこでようやく窯焚き作業の全てが終了します。
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※これは、陶教室の薪窯焼成イベントの際に、参加者の皆様にお願いしている事項です。
窯によって、また焼成条件によってこういった事項は変動しますので、他の焼成時に必ず当てはまる事ではありません。
その点をご了承ください。 |
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焼成の前に、作品によってはしておいて頂きたい事があります。
素焼きの後に、お願いいたします。
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白土の作品は水もれしやすいので、外からみえないように内側に透明釉をかけておいてください。 |
釉がけしたことがわからないほうがいいので、かけた後、口元の内側のみえるところは釉をしっかりふきとっておいてください。
口の広い形は中がどうしてもみえてしまうので、外側の自然灰の色に近い木灰か松灰をおすすめします。
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平たくした丸い粘土やワラを用いてもようづけをしたい場合は、各自でのせておいてください。 |
粘土やワラは、セロハンテープでしっかり固定してください。
やり方は、講師にお尋ねください。
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深めの器の内側に松灰をかける場合は、吹きがけをしてからラップをかけておいてください。 |
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「軽く1回」だけ吹きがけしてください。それ以上は強くなりすぎるのでおすすめしません。 |
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器の外側には絶対にかからないようにしてください。 |
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ラップは外れないようにしておいてください。 |
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器の外側への釉がけやワラがけはしないでください。 |
自然灰がかかるので、釉が流れすぎたり変な反応を起こす恐れがあります。
それでも実験的にやってみたい方は、ご相談ください。。
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